「ブログズミ: [Visual Studio] デバッガー変数表示のカスタマイズ」
Visual Studio ではステップインする際に、
特定の関数には入っていかないようにする設定がユーザー定義でできるようになっています。
Customize C++ stepping behavior independent of Just My Code settings
それを設定して何が便利なのか?
よくある事例で見てみましょう。まずは設定なし。
そして、設定あり。
どちらも UnitTestSource::GetInstance().Initialize(); の Initialize にステップインしようとしている様子です。
いかがでしょう?
前者のように GetInstance にいちいちステップインしちゃうのが煩わしく感じてる人は多いのではないでしょうか?
ステップフィルターを設定した後者は GetInstance() の中に入っていかなかったですね。
このように、1行に複数の関数呼び出しがある場合に、興味がない関数へのステップインをしないようにするとデバッグがしやすくなると思います。
今回紹介する .natstepfilter を使って、この煩わしさから開放されましょう!
設定の仕方
.natstepfilter 拡張子のファイルを作成し、「%VsInstallDirectory%\Common7\Packages\Debugger\Visualizers」もしくは「%USERPROFILE%\My Documents\
ファイルのフォーマットは xml になっています。
この xml で関数の指定とその関数に対して、ステップインするか、しないかの設定を行います。
以下は GetInstance にステップインしないようにする .natstepfilter の例です。
<Function> <Name>iutest::.*GetInstance.*</Name> <Action>NoStepInto</Action> </Function>
.natstepfilter は複数のファイルに分けて書くことができますので、stl.natstepfiler と iutest.natstepfilter のように namespace や用途に合わせて分けておくと便利だと思います。
iutest の例
さて、上記で iutest での GetInstance の事例を紹介しましたが、iutest では、テスティングフレームワークの利用者はフレームワークの内部実装には興味がなく、テストコードにのみ興味があるはずという考えのもと、テストコードから内部実装にステップインしないようにした natstepfilter を提供しています。
<?xml version="1.0" encoding="utf-8"?> <StepFilter xmlns="http://schemas.microsoft.com/vstudio/debugger/natstepfilter/2010"> <Function> <Name>iutest::TestEnv::environments</Name> <Action>NoStepInto</Action> </Function> <Function> <Name>iutest::UnitTestSource::Run</Name> <Action>NoStepInto</Action> </Function> <Function> <Name>iutest::AssertionSuccess</Name> <Action>NoStepInto</Action> </Function> <Function> <Name>iutest::AssertionFailure</Name> <Action>NoStepInto</Action> </Function> <Function> <Name>iutest::AssertionResult.*</Name> <Action>NoStepInto</Action> </Function> <Function> <Name>iutest::AssertionHelper.*</Name> <Action>NoStepInto</Action> </Function> <Function> <Name>iutest::AssertPred.*Helper.*</Name> <Action>NoStepInto</Action> </Function> <Function> <Name>iutest::PrintToString.*</Name> <Action>NoStepInto</Action> </Function> <Function> <Name>iutest::WithParamInterface.*</Name> <Action>NoStepInto</Action> </Function> <Function> <Name>iutest::.*GetInstance.*</Name> <Action>NoStepInto</Action> </Function> <Function> <Name>iutest::Test::RecordProperty.*</Name> <Action>NoStepInto</Action> </Function> <Function> <Name>iutest::UnitTestImpl::.*</Name> <Action>NoStepInto</Action> </Function> <Function> <Name>iutest::detail::.*</Name> <Action>NoStepInto</Action> </Function> <Function> <Name>iuutil::.*</Name> <Action>NoStepInto</Action> </Function> <Function> <Name>iutest::matchers.*</Name> <Action>NoStepInto</Action> </Function> <Function> <Name>iutest::internal::.*</Name> <Action>NoStepInto</Action> </Function> <Function> <Name>std::.*</Name> <Action>NoStepInto</Action> </Function> </StepFilter>
ユーザーが集中したいコードにのみ、ステップインするのでテストコードのデバッグがしやすくなったのではないか、と思ってます。
Resharper C++ をインストールしていると利用できない
https://pleiades.io/help/resharper/Reference_Options_Tools_Debugger_CPP.htmlResharper C++ にステップフィルターの機能があるため、すべてそちらの管理になります。
そのため、.natstepfilter の設定は引き継がれません。(継承かインポートできると嬉しいですが・・・)
Resharper 使っている方はご注意くださいmm
最後に
Visual Studio は "知っていれば" 便利な機能が結構あります。ツールは使ってなんぼ。ただ使ってるだけじゃもったいないです。
これまでもいくつか機能を紹介してきましたが、今後も Visual Studio にはお世話になると思うので、また便利な機能を知ったら紹介したいと思います。
では。
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