GitHub Actions の共通アクションやワークフローを書いていると、たまに失敗したときの状態をより詳しく知りたいことがあります。
今回はその一例として github コンテキストなど、GitHub Actions から提供されるコンテキストのデバッグログを仕込みたいと思います。
ところで GitHub Actions の VSCode 拡張が公式からリリースされました。
実はこれを使うとコンテキストやワークフローの候補が出るようになるので、大変便利になりました。
これによって、いちいちこのコンテキストからは何が参照できるんだっけな?と調べる必要が減りました。
※ event の詳細は 2023/4 時点では候補にでなかったので、まだまだ event の詳細は公式ドキュメント(webhook のドキュメントですが同じものが入ります)や実挙動を見て確認する必要がありそうです
ワークフローを書いてる最中はどういう変数があるかはわかりますが、実際にどのような値が入ってくるのかはドキュメントなどから想像するしかありません。
ローカル環境でワークフローを実行する nektos/act のようなツールもありますが、これらは非公式かつ挙動が完全一致するものではないので、実際にワークフローを動かして確認するのが現時点では一番確実です。
私は act の gh 拡張機能(gh-act)を開発しており、その動作確認をこめてコンテキストをダンプしてるので参考にしてみてください。
さて、ワークフローを開発している最中や、リポジトリ専用のワークフローであれば、なにか失敗したときの調査に役立ちますし、常にコンテキストをダンプする step を置いておけば良いかなと思ってます。(実際にそうしてることが多いです)
こんな感じです
steps:
- name: $github
env:
GITHUB_CONTEXT: ${{ toJson(github) }}
run: |
echo "${GITHUB_CONTEXT}"
一方、reusable workflow など共通化して多数のリポジトリから使用されるものの場合、機能とは関係のないダンプはいれづらいです。(気にしなくていいとも思ったりもしますが、なんか個人的には避けたかった)
GitHub Actions はワークフローが失敗したときにデバッグログを有効にして re-run できます。理想としてはデバッグログとしてダンプできたらいいなと思っておりました。
reusable workflow 側で
デバッグログを有効にされていることをなんらかの方法で判別できればよかったのですが、環境変数やコンテキストでは判別できなさそうでした。
ただ、デバッグログを有効にした場合、最初に紹介した $github ステップの env の設定がダンプされていることに気づきました。
こんな感じ
そしてこの env の評価ですが、 if: false のように常に実行しないステップにしても評価はされました。
先程と同じ用に見えますが、前者は ✔ マークアイコンですが、後者は / マークでスキップされていることがわかります。
ここでようやく結論、タイトル回収です。
「if: false で常に実行しないステップを用意し、知りたい情報を env にセットしておく」
こうすることでデバッグログを有効にしたときだけ github コンテキストの内容を確認できました。この方法は github コンテキストに限らず使えます。
今回は以上です。